お寺の脇にあるスギを断幹したときのお話です。
胸高直径80cmの大木で、本坊側に枝がびっしりついていました。
一番上の梢の重量は約120kg、私はポータラップにロープを2,5巻しました。
本坊に向かって倒れていく梢の落下スピードを制御しようとロープを握ったとき、事件が起こったのです。
梢が激しく幹にぶつかり樹上のクライマーが大きく揺さぶられ、すぐ隣りの立木にぶつかったのです。
「何やってんだー、巻き過ぎなんだよー」クラーマーが怒るのも当然です。
「次こそはうまくやる」私はポータラップにロープを1巻して挑みました。その結果は、、、
落下していく幹に対して握っていたロープを支えきれず、間一髪屋根の脇をすり抜け地面に突き刺さった幹。
「セーフ」ホッとしたのも束の間、自分の手のひらを見ると私の指は火傷して皮がめくれています。

断幹作業時、ロープに吊るした丸太は勢いよく地面に向かって落ちていきます。
100kgの丸太を地上20mから落下させると、地面に衝突する寸前のスピードは時速72km。
地面にめり込む力は1980kgm/s。この落下衝撃力を減少させていく技術がロアリング(Lowering)です。
Low (抑える)のing(現在進行形)です。
表紙をご覧ください。
金属製の筒にロープを巻き付け、そこに発生する抵抗力を利用して丸太の落下スピードをコントロールします。
この落下制動量が強すぎると、樹上のクライマーが激しく揺さぶられ危険な目に合わせてしまいます。
一方、落下制動量が弱いと地上構造物を壊したり、グランドワーカーが指を火傷してしまいます。

この講座ではロープをポータラップに巻く回数の決め方、ロープの握り方・握るタイミングなど、
科学的な実験を繰り返しながら「答え」を見つけていきます。
樹上から落ちてくる重い材を「安全に降ろす」ために、「落下制動技術」をマスターしましょう!


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